2024年08月15日
「奥三河の歴史遺産を守る会」設立記念講演会
奥三河地域に埋もれている遺産を後世に伝えようと「奥三河の歴史遺産を守る会」(松下恒雄会長)が3月初め、新城市海老地区で発足しました。10日、設立記念講演会(東海日日新聞社など後援)が長篠の市民センターほうらいで開催されました。
講師は、海老地区出身で会員の名古屋大学名誉教授・「新城ふるさと応援隊」応援大使代表の松下裕秀さん(69)で、「奥三河に残る歴史遺産を自然科学のレンズで眺める」の演目で出席した会員や市民約100人を前に講演しました。
日本で最も古い棟札(むなふだ)は岩手県平泉町の中尊寺伝経蔵にある保安3(1122)年のものと言われています、しかし、海老神社に残る赤松神社の棟札(むなふだ)には承暦3(1079)年との記載があります。そこで、今年初め名古屋大学で年代測定が行われました。最も古いとの期待がありましたが調査の結果、承暦3年より新しい時代に書かれたことが確定しました。松下さんは「奥三河の歴史遺産を守っていくには、科学的根拠と論理性に裏付けされた事実を積み重ねて、できるだけ正しい歴史を次世代に伝えていかなければならない」と語りました。講演では、鳳来寺山東照宮の御宮殿や家康帯刀の名刀の伝承などの歴史的価値や海老神社、大野神社の調査結果などについても語られました。
会は発足から半年足らずの間に、海老神社金的中額や大野神社棟札について調査しています。この日、海老神社金的中額の調査結果をまとめた設立記念誌「奥三河の歴史遺産を守る会調査報告書第1集」(A4版カラー34㌻)が参加者に配布されました。