2024年04月01日
満蒙開拓団拓魂碑で慰霊の会

建立から間もなく55年を迎える新城市桜淵公園にある満蒙(まんもう)開拓団「第9次三合東三河郷開拓団」慰霊の「拓魂碑」できのう31日、慰霊の会が行われ、80歳を超えた引き揚げ者3人や下江洋行市長、関係者ら約40人が祈りを捧げました。
咲き始めた桜の下で会が進められ、引き揚げ者の橋本克己さん(88)=名古屋市西区=が祭主として、敗戦後満州から帰国を願い地獄の道を歩んで倒れた同胞や集団自決した同胞の無念の思いをいたみ、平和の誓いを捧げました。
碑の清掃と慰霊をずっと続けている三友会の伊藤哲人会長(87)=東栄町=は引揚者の1人。引揚者の夏目幾世さん(87)=豊川市=の夫・宏一さん(90)とともに「みんな高齢になったが、亡くなった同胞の御霊を慰めるためお参りを続けたい」と話しました。
今回の慰霊の会の中心となった橋本さんは「命のある限り、子孫に伝えるとともに、慰霊の会も続けいていきたい」と誓っていました。
橋本さんは新城市八名に生まれ。1942年一家8人が団員として満州竜江省に渡り生活したが、1945年8月9日のソ連軍侵攻後、現地の人にも襲われ、目の前で人が死ぬ中必死に逃げました。チチハルでは、家族全員が伝染病で亡くなり、10歳で孤児となり1人で帰国しました。現在、戦争と平和の資料館ピースあいちの「語り手の会」会員として活動しています。



