2023年10月29日
地域ぐるみで鳥獣害対策を考える「フォーラム」開催
地域ぐるみで鳥獣対策を考えるフォーラムがきのう28日、平井のJA愛知東本店で開かれ、70人ほどが参加しました。主催は、狩猟と害獣駆除に関する啓発活動を進めるNPO法人愛猟(豊田市)。東海日日新聞などが後援。
作手地区在住の農家・杉浦徹さんは、アライグマやハクビシンなどの農業被害対策を具体的に述べました。アライグマを罠にかけたとき「かわいそう。『じいじい』なんて嫌い」と孫に言われたそうで、複雑な気持ちを語りました。
愛猟の鈴木康弘理事長は、集落全体で対策に取り組む必要性と補助員制度の活用を訴えました。
人間環境大学環境科学部講師の江口則和さんは道路上で起こる野生動物の死亡事故「ロードキル」問題を取り上げ、シカ、イノシシとの衝突事故で車の修理費は平均50万円かかるとし、シカ目撃情報などのアプリ活用を呼びかけました。
県農業総合試験場の林高弘さんは、県の鳥獣害対策には、「環境管理」「侵入防止」「捕獲・駆除」の三本柱が重要で、「まず下見、対策後も確認・メンテナンスが大切」と述べました。
合同会社「AMAC(エーマック」(千葉県佐倉市)代表の浅田正彦さんは、鳥獣害対策の最新事例などを紹介しました。「集落ぐるみの取り組みのためには、農産物だけでなく生活環境被害なども考慮していくことが大事で、愛猟のように対策をコーディネイトする人も必要」としました。
パネルディスカッションの中で、下江洋行市長は、狩猟免許を持つ自身の取り組みや市の現状を述べるとともに「地域の体制を立て直してやっていき、資源として使えるジビエを特産品とする視点も大切にしたい」と語りました。