2019年10月22日
「拓魂碑」半世紀の汚れ落とす

満蒙開拓団は,1931(昭和6)年の満州事変から 1945(昭和220年の終戦まで,旧「満州国」に実施した国策移民をいいます。東三河郷開拓団は,1940(昭和15)年、東三河地方を送出母体として愛知県が送り出した唯一の開拓団で、黒竜江省に入植しました。北設,海老町を中心に146戸が参加しています。
「拓魂碑」は、満州などで亡くなった人たちへの慰霊と開拓魂を記念して、1971年5月に豊川(とよがわ)の右岸の同公園東に建立されました。碑文には村づくりに血と汗の苦闘を続け、敗戦により日本に引き揚げるまでの1年余りで、530余人の団員のうち200人以上が被弾や病魔により亡くなったと記されています。
20日、元長篠城址史跡保存館長の山内祥二さんら6人が清掃活動を行いました。
建立から間もなく半世紀。全体が黒づみ、文字も見にくくなったことから、山内さんが清掃参加を呼び掛けたところ、洗浄機を用意して佐野守孝さんが駆けつけ、豊川市の夏目宏一さん(85) 幾世さん(82)夫妻、設楽町の小林政央さん(83)、東栄町の伊藤哲人さん(82)も参加しました。
洗浄機で汚れを洗い流すと、建立当時の姿が甦り、背面に刻まれた団員名がはっきりと浮かび上がりました。
山内さんは「供養ができてほっとした。小学生など子どもたちに語り継いでいけるといい」と話し、活動の継続を誓っていました。
