2017年05月27日
周昌院で首座法戦式(しゅそほっせんしき)
昨日26日午後3時過ぎ、玖老勢の鳳樹山周昌院で首座法戦式(しゅそほっせんしき)が行われました。首座は、日泰寺僧堂に平成28年上山暗居された京都府京丹波町国祥寺徒弟・中崎幹雄さんです。
たまたま周昌院に立ち寄ったら30人ほどのお坊さんがみえ、「なかなか見られないものなのでどうぞ」と言われ、1時間ほどの式を見学させていただきました。
<曹洞宗ホームページより>
お釈迦さまがこの世におられた当時、雨季には、歩くだけで多くの生き物を殺生してしまうため、外に出て修行する事ができませんでした。よって、修行僧達が寺に集まるようになったのですが、これを「安居(あんご)」といいます。そして、安居の制を結ぶことを、「結制」とも呼びます。安居は、インドでは雨季のみであり、「雨安居」とも「夏安居」ともいいましたが、中国に伝わると夏冬2回の行持になったといいます。
そして、結制中、自ら修行僧の中に入り、合わせて先頭に立って指導する役職を、「首座(しゅそ)」と呼ぶようになりました。文字通り、修行僧の中での筆頭であり、住職の隣に坐り、その補佐をしながら修行するため、そう呼ばれたのです。
なお、お釈迦さまが霊鷲山においてお弟子の迦葉尊者にご自分の席を半分ゆずって説法を許されたという故事にならって、住職に代わって仏道の肝心なところを、修行僧に説法する儀式が出来ました。それを、説法の際に持つ払子を振るうことから「秉払(ひんぽつ)」といいます。そして、徐々にこの儀式が実用的になり、首座と修行僧達とで激しい問答を行うようになりました。
この様子を、首座が法を戦わせることから、「首座法戦式(しゅそほっせんしき)」といい、現在でも各地の曹洞宗寺院で行われているのです。なお、首座はこの法戦式を終えると、正式に「座元」という位に就き、同じく、首座に法戦式を任せた師匠(法幢師)は、大和尚の位に上られるのです。
首座は住職の代理として他の修行僧達を相手に法問答を行い自らの境地を示さがなければならないということで、首座法戦式では首座と修行僧たちとで激しい問答が行われます。
仏道とはどのように参究すべきか?どのように修行すればよいのか?などを修行僧が大きな激しい声で問い、首座が同じく大きな声で答えます。多くの問答があり、迫力あるものでした。


